『ぼくの週プロ青春記』

ぼくの週プロ青春記 90年代プロレス全盛期と、その真実

ぼくの週プロ青春記 90年代プロレス全盛期と、その真実

 先日たまたま、単なる気まぐれでめったに手に取らない『kamipro』を本屋で立ち読みしていたら、『生前追悼 ターザン山本!』とこの本の広告をみつける。小島和宏の名はもちろん覚えていたので、即座に購入。小学生のころから何年も愛読していた「週刊プロレス」。この本の筆者ほどではもちろんないにしても、プロレス、そして週プロには間違いなく僕自身の青春も詰まっていた(なにせ、大学1〜2年生のころは年間50試合ぐらい生観戦していたのだから)。読んでいて、今だからこそ書けるいろいろな話に驚いたり、当時のプロレス界の分析に感心したりすると同時に、自分自分の恥ずかしい、そして消し去りたい記憶をたくさん思い出してしまった。その意味で、この本は最高に面白いんだけど、一方でとてもつらい本だった。僕もまた新日の取材拒否から週プロを離れてしまったひとり。筆者がいうように、週プロ、というよりはプロレス全体の凋落は、やはりその取材拒否がきっかけだったように思う。ところどころに挿入されている編集論にとても共感。あ、つまり、編集というものに対する僕の基本的な考え方は、毎週毎週、週プロを読むなかで培われていったのだなあ。