『大山倍達の遺言』

大山倍達の遺言

大山倍達の遺言

大山倍達の遺言』読了。圧倒的カリスマを失ったあとの極真会館の分裂劇を描いたノンフィクション。みずからの立ち位置の面で、ノンフィクションとしては問題がありそうだが、内容はとてつもなく面白い。極真の分裂の内実について初めて知れたこともさることながら、そこに描かれた人間ドラマが物語として秀逸。正論であることはわかっても、人間とはそうやすやすと感情がついてこない存在であることをしみじみと実感。トップダウンと合議制、執行部と構成員の関係など、ちょうど自分の置かれている状況とも重なり、興味深かった。そういう意味ではこの物語は決して他人事ではない。