赤めだか

赤めだか

赤めだか

 談志のことばが胸に染み入る。それを描く談春の文章がまたいい。師に対する弟子の心の底からの敬意、愛情がにじみ出ている。泣きはしなかったが、笑いをこらえるのに必死だった。じつは談志も談春もこれまでちゃんと聞いたことがないが、本書の面白さは十分に理解できた。貧乏体験のある人、努力が好きな人、ちゃらんぽらんのようでいて、やるときゃやるのが粋だと思っている人、とにかく面白いエッセイが読みたいと思っている人ならば、立川流のファンはもちろん、興味がない人にもオススメ。また、教える立場の人や、人の上に立っている人にもぜひ読んでほしい1冊。